過眠症の現代医学的な概要
過眠症には、いくつかのタイプがあり、代表的なものはナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症(クライネ-レビン症候群)などがあります。
ナルコレプシーは、通常眠るような状態でなくても睡眠発作が起きる。怒り、悲しみなどの情動によっても脱力発作が起きる。
反復性過眠症(クライネ-レビン症候群)は、ほとんど1日中寝ている状態が、2日~5週間続く。
特発性過眠症は上記2つよりは軽いとされています。
夜十分寝ているのに、昼間眠くなってしまうものです。
当治療室では、食後眠くてたまらないのも過眠のサインと考えています。その状態がエスカレートすると何もないときでも眠くなってしまうことがあり、早めに対処したほうが良いと感じています。
東洋医学では過眠を多寐(たび)や嗜眠(しみん)と言います。
東洋医学の古典『黄帝内経 霊枢(こうていだいけい れいすう)』に、
多寐についての記述があります。
多くの場合、体内に水分停滞、消化器の不調が診られ、それが表裏の気の運航を阻害することにつながります。
東洋医学の基本、陰陽が重要
陰陽という言葉ご存じの方も多いと思います。
陽気は日中目や皮膚や頭に多く存在し、それが夜中に臓腑に戻ります。
これは東洋医学的に言うと、日中陽気は表に存在し、夜中臓腑に戻るのが正常であり、睡眠に問題があれば、それを正常に戻すことが治療になります。
目に有れば目が覚め、肝に戻れば目が閉じてしまいます。つまり、この陰陽の運航、陽気の不足が、過眠の原因になります。
良質な睡眠を保つには自己管理も重要
上記したように水分停滞や、消化器の疲労などが重要になりますので、そうならない生活管理も重要だと考えています
「うやいや、私はそんなに太っていません。水分なんて溜まっていませんよ」と考える方もいるかもしれませんが、必ずしも体重と比例はしないと思います。
痩せてはいるけれど、水分を推動する力が不足していたり、停滞する性質が強いものが多いと必ずしも水膨れ的に体重が増えない場合もあります。