ウイリアム・オスラー
1.低血圧症の特徴
やわらぎ治療室で低血圧の方の治療を行うことがよくあります。
女性に多く、冷え性、栄養不足を伴っていると感じることが多いです。また、痩せ傾向もあります。
他の症状の治療でお見えになっていても、血圧の改善とともにもっとも気になっていた症状が改善するというケースが多いと感じています。
低血圧は頭痛、寝起きの悪さ、倦怠感、集中力の欠如などと結びつきやすく、生活の質(QOL)の低下を招きます。
直接緊急を要することにはあまりならないので気にしていない人も多いのですが、改善するとこれまでとても体調不良であったことに気付き驚かれる方も少なくありません。
2.現代医学的な扱い
低血圧は基本的に病院での治療は行われていないようですが、現在、WHOでは世界共通の基準として、収縮期血圧100(mmHg)以下、拡張期血圧60(mmHg)以下と定義しています。
やわらぎ治療室で測ってみると、かなり多くの方が該当していて驚きます。
即、特定の症状を起こすわけではありませんので、特に低すぎる場合を除いてあまり病院での対処は行われていないようです。
3.低血圧で起きると考えている問題
当治療室では、低血圧は様々な不健康の原因になってしまうものと考えております。
それは、血液の中にはさまざまな重要な成分が入っており、例えば赤血球は酸素の運搬、タンパク成分はミネラルやビタミンの運搬を行なっています。ほかにホルモンや、代謝産物も血液を通して運ばれます。
赤血球を取り上げてみると、
細胞は赤血球から受け取った酸素を元にさまざまな生命活動を行いますし、その結果として二酸化炭素を発生し、それは赤血球が肺まで運び口や鼻から排出されます。
そのため、赤血球が毛細血管を通って細胞まで届かないと、二酸化炭素の排出効率も悪くなってしまいます。
っちょっと意外かもしれませんが、赤血球は毛細血管のもっとも細い部分よりも大きいことが知られています。
ということは、赤血球が酸素を細胞に運ぶためにはその細い毛細血管を通るために血圧を必要としていることは容易に想像できると思います。また、細胞から二酸化炭素を受け取って排出するためにも大事になってきます。
我々の身体はおよそ37兆個の細胞から成り立っていることが最近の論文で発表されました。つまり、上記の例で言うなら、血圧が低ければ酸素と二酸化炭素の運搬は37兆個の細胞のあちこちで停滞することになるでしょう。そしてそれに伴い生命活動のレベルが下がってしまうのは避けられないと思います。
そして酸素と二酸化炭素以外の血液成分も血圧が低いことによってうまく運搬されなくなると思われます。
それは血小板、ホルモン、白血球、さまざまな代謝産物、古くなって壊れた細胞など様々なものが含まれます。
また、せっかく健康のため、と食べたり飲んだりしたものもスムーズに血管内を流れないとうまくはたらいてはくれないであろうと想像します。
上記のような理由から低血圧は細胞の活動を低下させてしまう原因になると考えています。細胞の活動が低下してしまうとあらゆる症状の原因になりえます。自覚が無い方も多いのですが、倦怠感、肌、爪の状態悪化、立ちくらみ、寝起きの悪さなどと関連していたと思えるケースがよくあります。
低血圧の解消とともに頭痛、耳鳴り、食欲不振、消化吸収、むくみ、痩せなどの改善につながったと思われるケースが多数あります。
また、痴呆との関連性を指摘する医師もいるようです。
東洋(鍼灸)医学的には肝臓や心臓の血液運搬機能低下が診られ、それを鍼灸や無痛整体により改善することは全身的にも重要です。
血は身体全体の栄養を司っており、きちんと運搬されないとほかの臓器の働きも弱ってしまいます。
4.低血圧症の無痛整体・鍼灸施術内容について
やわらぎ治療室では、血圧低下を招くエネルギーの停滞や、身体のゆがみを解消するよう無痛整体・鍼灸施術をしています。気になる方はお試しください。なお、治療には栄養状態の改善が重要と考えております。食養生の採用も検討の上ご来院ください。
血圧コントロールに首の動脈付近への鍼灸施術を行う方法がありますが、当治療室ではそれは行わず、整体、鍼灸による全身調整という身体へのソフトな刺激で対応しております。