ダイエットする方の多くがリバウンドすることはみなさんよく知っていますね? でも中にはうまくリバウンドしないで痩せたままの方もいます。あれは一体何が違うのでしょうか?みなさんは不思議に思わないですか?私は不思議に感じました。そこで鍼灸医学的に診るとどういうことなのか書いてみます。
やわらぎ治療室にもダイエット中の方がお見えになることがあります。そういう方を観察していますと、共通したものを感じます。。
それは、健康な状態では無くとてもアンバランスな状態だということです。痩せて一見すると健康になったように見えても身体の中は不安定な状態になっています。
現代医学的に診て正常でも鍼灸医学的にはあまり健康的とは言えない方が多いと言うことです。
ダイエットでたいていの人が行うのは食事制限ですね。食事量を減らすなどして痩せた結果どうなっているかというと、部分的な飢餓状態です。
キャベツを食事前に食べる、こんにゃくを主食代わりにする、朝バナナを食べる、などして栄養量を減らし、努力した結果起きているのは栄養失調状態です。現代医学的に診ると脂質、糖質、タンパク質の量がどうのといった話が出てきます。
鍼灸医学的にはそういうことではなく、気、血、津液といった東洋医学的な栄養がきちんとバランスよく体の中を巡っていないと体内に水分や脂肪や老廃物やさまざまな物質が体内に蓄積します。
こうした鍼灸医学的に診たバランスはほかに陰陽、五行などの考え方があります。
こうしたバランスがとれていないと身体はSOSを出しますので必死に何かを食べさせよう、身体に栄養を蓄積しようとします。しかし、普通はその足りない栄養、身体が何を欲しがっているのかが一体何で補えるのかわからないのでアンバランス状態は継続され、ダイエットが成功して痩せたのは良いけれど健康的ではない状態が続き、食欲を我慢し続けるか食欲に巻けて太りだすかと言うことになります。
身体は不足しているものをなんとか補おうとして食欲を増大させます。
私が観察したところではダイエット中の患者さんはそれによって無月経、耳鳴り、肩こり、眼精疲労、アトピーなど持病の悪化、冷え性の増悪などさまざまな症状を引き起こしていることが少なくありません。
これを例えて言うならば、
ダイエット中の人は、車の中にゴルフセット、スタッドレスタイヤ、予備のバッテリなどを積んでたいへん重い状態で走っていたとします。
なんだか走りが悪いし、燃費も悪い、どうしたものか?と考え、あなたは「助手席ってあんまり使わない、取っちゃおう」とはずしてしまいました。
おかげで少し車は軽くなりました。万事めでたしめでたし...とはなりません。
奥さんも子供からも大不評です、乗れなくなってしまいました。常に家族とは戦争状態です。
しかしあなたは軽くなって満足しています。
次にまだ重いな、ということで風邪の抵抗を減らすために今度はサイドミラーを外してしまいました。走りがまた良くなりました良かったよかった、とはなりません。
何度も危険な目に会い、お巡りさんからも注意を受けます。おかげで罰金も大変です。
そして結局家族からの突き上げ、警察からの指導により元に戻してしまいました。
ダイエット中の身体はこのような状態であり、結果起こるのがリバウンドだと思います。
また、運動によるダイエットも鍼灸医学的に診るとガソリンをどんどん減らした状態で生活するのと似ています。重量は減りますが、スタミナ=走行距離は縮んでしまいます。この状態もつらいので普通は身体がガソリンを増やすことを要求します、この結果起きるのもリバウンドですね。
はい、なにがいけなかったのかはわかりますね。
スタッドレスタイヤ、ゴルフバッグ、使わないバッテリを下すべきであたということです。サイドミラー、助手席は大事なものなので取り払ってはいけません。
ガソリンも適切な量確保して生活するのがお勧めです。そうすれば運転に支障が出ないまま軽くなりますね。
ちなみにゴルフバッグを積むのをやめると燃費が何パーセント上がったというような話を昔テレビで見たことがあります。意外と燃費が変わるので驚きました。
生活していると知らず知らずに意識せずにいろんなものを積み込んでしまうものです。それを適切に下すことができた人がダイエットでリバウンドしない人だと思っています。
必要なものは必要なだけ体内に残し、必要で無い者はどんどん身体から降ろす、あるいは身体に入れない、ということが大事なんだと思います。取捨選択が大事ですね。
しかし、それはうまくいっても普通は偶然バランスよく降ろせたのであり、計画的にできた人はあまりいないように感じています。
だからリバウンドする人が多いんですね。